「成年後見制度」実施報告

4月22日、松が丘Yuiの一緒に考える会
「成年後見制度――後見制度を利用するときに知っておきたいポイント」を開催しました

日時:平成31年4月22日(月)14:00-15:30

場所:松が丘中央会館

報告者:星野直彦

参加者:松が丘住民15人

1.報告内容

成年後見制度は、判断能力が低い状態がある程度続いている場合に、本人の判断を他の者が補うことによって、本人を法律的に支援するための制度であり、旧来の禁治産、準禁治産制度に代わるものとして、2000年、介護保険制度発足 (高齢者の介護サービスが措置制度から契約制度に変わる)と同時にスタートした。

成年後見制度には、法定後見と任意後見がある。法定後見は、既に判断能力が不十分となった時に、申し立てにより家庭裁判所によって選任された後見人等が、本人に代わって財産や権利を守り、本人を法的に支援する制度。「成年後見」、「保佐」、「補助」の3類型があり、類型ごとに対象となる人、申し立てができる人、後見人の権限などが決まっている(略)。

任意後見は、将来、判断能力が不十分となった時に備えるための制度であり、本人が元気で判断能力があるうちに、将来、自らの判断能力が低下した場合に備え、任意後見受任者を選び、公正証書で任意後見契約を結んでおくもの。自分にとって最善を考えてくれる任意後見受任者を選ぶ。任意後見人になるための資格は不要であり、家族や親族、友人でもなることができ、法人と契約を結ぶことも出来る。

2.参加者の質問など

〇どのような関心から今回の会の参加されたのか知りたい。すでに自分の親、あるいは配偶者が認知症になっている、自分の判断力も低下するのではないか、知的障害の子供がいる、子供がいない、など様々な事情があり、それぞれの状況や不安に即して質疑できたらいいのではないか。

〇高齢になって、物忘れも多くなった。また突然具合が悪くなる、あるいは死亡したあと周りの人や離れて住む子供に迷惑をかけてしまうのではないかという不安がある。その備えをしておきたいと思って参加した。

○お勧めの後見をしてくれるところ(人や法人)を知りたい。

〇一人暮らしなので、自分に突然何かあったときの対策はいろいろ考えている。たとえば、緊急通報システムの活用、銀行の貸金庫への財産・財産目録・パスワード等の情報の保管(子供を代理人としている)など。

○法定後見人を裁判所に申し立てたら、どのくらいの期間がかかるのか。
⇒約1、2ヶ月。家族間での問題等がある場合には、時間がかかる。

〇自分の老後の財産管理なら、任意後見とは別の家族信託の仕組みを使うという方法もある。

〇自分の死亡前後のトラブルを避けるためには、エンディングノートを書いておくという方法もある。

〇障害児・者の親は、自分の老後または死後に、子供が(任意)後見人の保護を受けて幸せに暮らせることを願って、成年後見制度の勉強会を行っている。そこでは、何が「本人に代わって財産や権利を守る」ことになるのか、その判断が立場によって異なることから生じる問題が話題になっている(本人が家族のためと思っても財産が使えない、質素な葬儀になる等)。そして「この制度は使い勝手が悪い」と、概して評判が悪い。

〇ある子供の無い高齢者夫婦が法人と契約を結び、自分たちで対処できなくなった時の対応や死後の財産処分などを、細かい契約書を作って委任している。しかし法人(=任意後見受任者)は、本人たちの状況変化を細かく把握をしているわけではないので、対応できることには限界がある。実際、緊急事態への対応は、妹や近くに住む友人などが対応して切り抜けた。

○任意後見より法定後見の方が数的には多い。

〇それぞれが抱えている困難な問題や不安のうち、成年後見制度の利用で何が解決するのか。成年後見制度の可能性と限界を知っておく必要があるのではないか。

〇成年後見制度の利用相談はどこで行っているのか。
⇒地域包括支援センター、社協などでも行っている。

(注)
・成年後見人制度は、本人が亡くなるまでの財産や権利を守る制度。死後の遺産については対象としていない制度。
・銀行の貸金庫は、契約者が死亡すると代理人は貸金庫を開けることができない。相続人全員の同意がなければ開けられない。

松が丘Yui